求人票に嘘が多い理由

上司のイラスト

まずはこちらのくそ動画を見ていただきます。

ご覧の通り求人票(募集要項)に事実と異なる記載、いわゆる「盛った」表現や嘘が多い背景には、企業側の構造的な焦りや採用市場の歪みが深く関わっています。主な理由は以下の通りです。

1. 慢性的な人手不足と「応募数の確保」が至上命題になっている

多くの企業、特に中小企業や不人気業界では、求人を出してもそもそも応募者が集まらないという深刻な課題を抱えています。求人サイトは情報があふれているため、第一段階として「クリックされ、少しでも多くの母集団を集めること」が優先されます。その結果、実態よりも好条件を掲げて目を引こうとする動機が働きます。

2. 競合他社に見劣りする現実を隠したい

労働環境や賃金水準が他社と比べて見劣りする場合、そのままの現実を記載すると「誰も応募してこない」という恐怖があります。

● よくある実態の隠蔽:

○ 平均残業時間が長いのに「月平均10時間未満」と書く

○ 実際の離職率が高いのに「定着率抜群」と表現する

○ 基本給を極端に低くし、実際には達成困難な手当込みの金額を「月給」として大きく載せる

ではここで一旦休憩がてらこのくそ動画2つをごらんいただきます

3. 採用担当者(人事)への社内プレッシャー

多くの企業では、人事部や採用担当者に「〇月までに〇人採用する」という厳しいノルマ(KPI)が課されています。採用が滞ると担当者の評価が下がったり、現場からのプレッシャーが強まったりするため、一時的に人を集めるために求人内容を誇張せざるを得ない構造があります。

4. 法律上の「求人票は契約ではない」というグレーゾーン

労働基準法などの規定により、採用後に実際の労働条件が求人票と著しく異なる場合は違法(労働条件の明示義務違反など)となりますが、「応募を募る段階の求人票そのものは、法的な労働契約の確定内容ではない」という解釈がなされがちです。企業側も「応募させることが先決で、入社した後のミスマッチや離職は、その時になってから考えればいい(あるいは根性で定着させればいい)」という場当たり的な姿勢をとることが少なくありません。

5. 「やりがい搾取」的な募集文化の常態化

「アットホームな職場」「若い力が活躍できる」「実力次第で高収入」といった、具体性のない抽象的な美辞麗句が好まれる採用風土があります。具体的な数値や労働実態を示すよりも、フワッとしたポジティブな言葉並べのほうが応募ハードルを下げる効果があるため、これが悪しき慣習として定着しています。

💡 実務上のリスクと対策

求人票の嘘を信じて入社した場合、労働基準法違反や民法上の詐欺(錯誤無効など)を理由にトラブルに発展するケースもあります。近年では、ハローワークや民間の求人サイトでも虚偽記載に対する罰則や通報窓口が強化されていますが、応募者側としても「面接時に労働条件通知書(雇用契約書)の書面で細かく確認する」「口コミサイトや実際の離職率を多角的に調べる」といった自衛策が不可欠となっています。

結論

求人票に嘘や誇大広告が多いのは、「人を集めなければ会社が回らないという焦り」と、「厳しい現実をそのまま書いたら誰も応募してこないという恐怖」という、構造的なジレンマが根本原因です。法的な罰則やペナルティリスクよりも、「目先の応募数確保」を優先してしまう採用側の悪しき体質が、今なお形を変えて蔓延し続けていることが、求人詐欺や深刻なミスマッチを生み出す最大の元凶となっています。